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窓ガラスなどの鏡のような表面をスキャンしたデータでは、レーザー測定ビームが鏡のような表面で反射され、別のオブジェクトの鏡像を測定して、鏡の表面の後ろに不要な鏡像の点が現れることがあります。
「ミラーオブジェクトポイント」機能を使用することで対象となる鏡像点群を抽出する事が可能です。
(抽出された点群の削除も可能)
交通量の多い道路、通行人が多数存在する都市部、重機や作業員が行き交う舗装現場などで計測を行った際に車両や通行人を避けて点群データを取得するのは至難の業。
「マークダイナミックオブジェクト」機能を使用することにより、“動的なオブジェクト(車両や通行人)” のみのデータを抽出する事が可能です。
(抽出された点群の削除も可能)
Terrain filter(=地形フィルター)は地形点から地形外の点(植生、移動物体、異常値など)を分離するために使用できます。
代表的な使用例としては、地表上の車両や通行人等を任意選択したエリア内より抽出し、削除する為に使用。
Mark Dynamic Objects(マークダイナミックオブジェクト)機能はデータ全体を一括処理するのに対して、ローカルテレイン機能は任意箇所の個別抽出処理に適しています。
RiSCAN PROのフィルタリング「TreeAnalyzer」についてご紹介します。
RIEGL社製地上レーザースキャナー(TLS)で取得した点群データの中から樹木点群のみを抽出可能とした画期的なフィルタリング機能です。
従来の造園緑地における毎木調査では、現地で胸高直径や樹幹直径、樹高などを手作業で測定しており、 これらの作業を行うには膨大な時間と多くの人手が必要です。
造園緑地空間においてTLSを活用し、対象地でレーザ測量を実施した上で、図-1、図-2に示すように取得したデータから単木の点群を抽出することで、遠隔からでも樹木点群を活用した毎木調査や伐採を伴う景観シミュレーションを可能とする研究が行われています※1)。
TLSで取得した点群データを活用する毎木調査では現地での作業は減少させられるものの、ソフトウェア上で煩雑な手作業が生じます。
具体的には取得した点群データの中から対象の樹木を選定し、反射強度を利用して下草や枝葉を分離、さらに目視によるノイズの除去が必要になります。
これらの作業は計測対象とする樹木の本数が増えるにつれて、膨大な時間と労力を要することが非常に大きな課題となっていました。
RiSCAN PROによる「TreeAnalyzer」機能は、樹木点群全体の自動抽出を実現することが可能であり、手作業の煩雑さを解消することで、 これまで課題となっていた“膨大な時間・労力”を飛躍的に削減する解決策として大いに貢献できる機能となっています。
本機能を用いることで、地上点群データを解析し、図-3、図-4に示すように各樹木が自動で識別・分類されます。
また、各樹木毎に識別番号を付与できるため、データ管理が効率化され、従来の方法と比べて大幅な作業の効率化が可能となります。
さらに本機能は、樹高、樹冠面積、樹冠の直径、体積などの主要なデータを迅速に算出し、3D画面上で直感的に確認・調整できる仕組みを備えています。
また、測定結果は、.shp、.dxf、.csvなどの形式で出力できるため、他の解析ソフトとの連携も容易です。
これらの技術を備えたTreeAnalyzerの導入により、樹木調査のDX化が大幅に進展し、これまで人手に依存していた測量作業の効率化と精度向上が実現されるとともに、森林管理、都市計画、環境モニタリングなど幅広い分野における測量技術の革新と発展が期待されます。
引用文献
固有の樹木IDに基づいて色分けされた樹木
各樹木は地理参照されています。各樹木にはいわゆるパイプモデルが作成され、これを用いて高精度な体積計算が行われます。
枝と幹を分離することも可能です。
抽出パラメータは簡単に調整でき、3Dビューで表示できます。
ユーザーはこのプロセスを完全に制御できます。
【主なパラメーター】
抽出したパラメータを.shp、.dxf、または.csv形式でエクスポートし、さらに分析や計算に使用できます。
個々の樹木は、さらに3Dポイントクラウドとしてエクスポートできます。
TLSレーザースキャナをご希望の方へ、製品資料をご用意しております。
資料の一部を下記よりご確認いただけますので、ご入用の方はフォームよりご連絡ください。