目次
ハイエンドモデル UAVグリーンレーザースキャナー RIEGL VQ-840-Gシリーズ を例に、
グリーンレーザーの計測事例をご紹介します。
グリーンレーザーによる水面下の計測は、一般的な近赤外レーザーによる地形計測と下記の部分が全く異なります。
スキャナースペックの測深能力の通り計測可能かどうか。
近赤外レーザーのように〇〇m計測可能と断言が難しい技術です。
VQ-840-Gシリーズの測深能力は 2 Secchi Depthです。
※Secchi Depth は測深深度を表します。Secchi盤を水中へ投下し視認できる最大距離が1Secchi(1セッキ)となります。
データ解析において、どこまで自動処理可能かどうか。
受光感度を高くしているため近赤外レーザーよりも空中・水中にノイズデータが多く発生します。RIEGLソフトウェア「RiPROCESS」にて効率良くノイズ除去が可能です。
データ解析において、どこまで正しく補正可能かどうか。
RIEGLソフトウェア「RiHYDRO」にて高精度な補正をおこないます。
この補正が最終成果に大きく影響します。
現在、VQ-840-Gシリーズ以外の他メーカー様より販売されているUAV搭載型グリーンレーザースキャナは、ラインスキャンタイプが大半です。
※RIEGL BDF-1(販売終了製品)はスキャナーではなくレンジファインダー(距離計)タイプでした。
VQ-840-Gシリーズは、ALBと同じ円形スキャンパターンの機構を採用しています。
高精度に水面下のデータを生成するためには、円形スキャンが一番 理にかなったスキャン方法です。
ビーム広がり角
1mrad~6mrad(選択)
飛行高度による目に安全な運用と空間分解能のバランスをとる。
※小型有人機搭載も可能としているため
レシーバーFOV (選択)
小さい設定:
地形計測、澄んだ水、浅瀬に適している
大きい設定:
濁った水に適している
VQ-840-Gシリーズは、発射するレーザービームの広がり角、受信側のFOVを、現場の状況にあわせた最適な設定をすることで最高のパフォーマンスを発揮します。
RIEGLのグリーンレーザー用処理ソフト「RiHYDRO」で水面による屈折の補正をおこないます。(1)の線はスキャナーから発射された1本のレーザーです。RiHYDROによって、波形解析で導き出される位置(補正前)から、正しい高さの位置にデータが補正されます(補正後)。
株式会社 エアフォートサービス 様(新潟県)
株式会社 嶺水 様(長野県)
株式会社 オリエンタルコンサルタンツ 様(東京都)
株式会社 ビジュアル・システムズ 様(愛知県)
計測の概要
計測箇所:ダム上流の河川部
飛行高度:100m
飛行速度:5m/s
ラップ率:60%以上
河床到達:7m
出来高 :70%程度
計測の概要
計測箇所:砂防施設点検調査、延長4㎞
飛行高度:100m
飛行速度:5m/s
ラップ率:60%以上
河床到達:5m
出来高 :95%程度
計測の概要
計測箇所:海岸の護岸施設調査
飛行高度:100m
飛行速度:4m/s
ラップ率:60%以上
海底到達:2.5m
出来高 :85%程度
RIEGLの特長である「マルチターゲット測定機能」によって、1発の照射されたレーザーが複数の葉をかすりながらも水面下の地形まで到達しているのが確認できます。このデータでは、7つのリターンがあったことを示しています。
POTREEによるサンプルデータはこちらから
提供:株式会社 嶺水様
RIEGLニュースルーム(原文English)
2024年2月22
Whiteout Solutions 社は、バーモント州北東部に拠点を置く地理空間テクノロジー企業です。彼らの主な使命は、高分解能な地理空間データの可用性を高め、Web ベースのデータ配信と分析を通じてその利用を最大化することです。同社は RIEGL VQ-840-GL 地形/測深システムを導入し、沿岸地域や内水域で発生する異常気象に関連する地形の変化や影響を記録できるようになりました。
無人航空機 LiDAR(近赤外) が繊細な沿岸湿地帯の微地形を検出する能力の評価を目的とした一連の試験プロジェクトを実施した後、Whiteout Solutions 社はコネチカット州エネルギー環境保護局から、州内で保護されているすべての沿岸湿地帯の調査を委託されました。このデータは、海岸侵食や気候変動などの影響による標高の経年変化を評価するための高分解能な基盤データセットとして使用される予定でした。
試験データの分析を通じて、Whiteout Solutions 社は現状に明らかなギャップがあることを突き止めました。植生種の詳細、堆積物復元区画の標高、湿地帯のアクセスエリアを把握できましたが、すべてのデータは潮汐のある入り江や水路で途切れていました。どのデータセットも水面でデータが打ち捨てられていました。干潮時に調査することはできましたが、低地の水路にはまだギャップがあり、地形/測深データが必要でした。
明確な解決策は、RIEGL 社の VQ-840-GL 地形/測深 LiDAR スキャナーでした。これは、重量物運搬用の無人航空機プラットフォームに搭載できるほど軽量でありながら、現場でかなりの稼働時間を確保できるものでした。Whiteout Solutions 社は 2023 年の夏にこのシステムを導入し、数か月後には、コネチカット州で 14,000 エーカー(約57km2)を超える湿地帯と周辺地域のデータを収集しました。その結果、過去最大級の規模となる高分解能(200点/㎡)な地形/測深データセットが生成されました。このプロジェクトデータは、海面上昇のモニタリング、気候変動のレジリエンス(強靭化)プロジェクトの立案と実行などに不可欠です。
「私たちは、気候変動の一次的な影響を受けている環境、特に日常的に洪水が増加している海岸線や河川沿いで高分解能な地形/測深データを収集できるツールとして、VQ-840-GL システムをパートナーに提供できることを非常に幸運に思っています」と、Whiteout Solutions 社の共同創設者Matt Clark氏は述べています。「私たちの観点では、地理空間データを持ち、それを扱うことができる人が多ければ多いほど、気候変動の影響から私たちを守る永続的な解決策を生み出す可能性が高まります。私たちは地理空間データへのアクセスを民主化(オープン化)するためにここにいます。」
地形/測深LiDAR が気候変動の影響を理解するために重要な役割を果たすようになる中、Whiteout Solutions 社はパートナーがデータ製品から価値を引き出し続けられるようにすることを優先しています。そして、RIEGL社の LiDAR は彼らが可能な限り最高の成果物を提供することを保証しています。
「Whiteout Solutions 社は革新的な中小企業であり、水面下で起きている変化をマイクロスケールかつ高分解能でマッピングしてより深く理解することで、小型の地形/測深 LiDAR ソリューションを用いて何ができるかを私たちに教えてくれました」と、RIEGL USA 航空レーザー部門のマネージャー Michael Sitar 氏は述べています。「私たちは、彼らが極めて重要な環境をマッピングして新しいアプリケーションを探求しているように、Whiteout Solutions社をサポートすることを楽しみにしています。」